2035年、AIが変える世界を生きるわが子のために ― 今、保護者が知っておくべきこと
カテゴリー: AI時代の未来理解プログラム
はじめに ― この記事は「AIを学びましょう」という話ではありません
- AIについて、子どもに何か教えたほうがいいのだろうか?
- スマホやSNSと同じように、子どもにAIを使わせることには、正直まだ抵抗がある…
- この先もAIが発展していく中で、一般的なプログラミング学習だけでいいのだろうか?
- この子が働く頃、今ある仕事はどれくらい残っているのだろうか?
こうした思いを抱いたことがある方に、まずお伝えしたいことがあります。
その気持ちは、決して過剰なものでも、特別なものでもありません。
新しい技術が生まれるたびに、多くの保護者が同じように立ち止まってきました。
この記事は「AIの使い方を覚えましょう!」という話ではありません。
私たちがお伝えしたいのは、お子さんが社会に出る2035年前後、
世界がどんな形に変わりつつあるのか——その「大きな流れ」です。
難しい専門用語は使いません。私たちは子どもたちに「AIの仕組みや使い方」を教えたいのではなく、
いわばAIの発展がもたらす「現代社会の新しい産業構造や世界地図」を知ってほしいと考えています。
ただ純粋に「世界で今何が起きているのか?」を知ることで、見える景色が大きく変わるはずです。
お子さんが社会に出る2035年、世界はどう変わっているのか?
「見える景色が変わる」と言われても、まだ実感が湧かない方も多いと思います。
まずは、具体的な時期から考えてみましょう。
今、中学1年生のお子さんが就職するのは、だいたい2033年から2035年ごろです。
その頃の世界を、私たちが今持っている「常識」で正確に測ることはできません。
「今の仕事のあり方や、今の学校の勉強をそのままやり続ければ大丈夫・・・」
そう思っている方も多いかもしれません。
それ自体は、決して不自然な考え方ではありません。
多くの親世代が、自分自身の経験をもとに子どもの将来を想像するのは、ごく自然なことです。
ただ、一度だけ立ち止まって考えてみてほしいのです。
今の社会の姿は、10年前と比べてどれくらい変わったでしょうか。
この10年で何が起きたか ― 2015年と2025年を比べてみる
この10年の身近な変化を具体的に振り返ってみましょう。
たった10年で、これだけのことが起きました。
2015年の時点で「10年後にはAIが小説を書き、絵を描き、人間のような会話をするようになる」と言われても、
多くの人は信じなかったはずです。しかし、それは現実になりました。
変化のスピードは、これからさらに速くなる
「10年後のことは、誰にも予測できない・・・」これは、決して大げさな表現ではなく、事実です。
かつては「1つの世代でようやく1回の産業革命が起きる」というくらいのスピード感でした。
しかし今は、「10年以内に複数回の大きな転換が起きうる時代」になっています。
だからこそ必要なのは、特定のスキルを一つ覚えることよりも、変化を読み取る力、自分の頭で考える力です。
それが、このシリーズを通してお伝えしたい核心でもあります。
世界のルールが変わった ― 「垂直統合」から「水平分業」へ
この変化の速さの背景には、世界のものづくりの仕組みそのものの転換があります。
1980〜1990年代頃までは、多くの企業が「垂直統合」という形をとっていました。設計から部品製造、半導体製造、組立、販売まで、ほぼ一社で完結させるスタイルです。日本の家電メーカーの多くも、この形で成長してきました。「自社ですべてを作る」ことが、企業の強さの証でもあった時代です。
しかし現在、世界の主流は「水平分業」という形に変わっています。
ある企業が企画・設計を担当し、別の企業が半導体を製造し、また別の企業が組立を行う——世界中の企業がチームを組んで、一つの製品を作り上げる仕組みです。
例えば子どもたちが大好きな「Nintendo Switch 2」も、任天堂一社だけでは作られていません。
世界中の専門企業が、それぞれの強みを持ち寄って、初めて一つの製品が完成しています。
私たちが見ているのは「ゲーム機」という完成品ですが、その裏側には、世界中の企業が協力して生み出す産業構造が広がっているのです。
こうした構造はゲームに限った話ではありません。AI・半導体・通信・自動車など、さまざまな産業で同じことが起きています。
デジタル化によって、世界は「一社対一社の競争」から「分業チーム同士の競争」へと変化しました。
世界のルールが変わると、求められる仕事も、必要な力も変わります。
だからこそ私たちは、AIや情報を学ぶ前に、まず世界で何が起きているのかを理解することを大切にしたいと考えています。
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これほど大きな変化が起きているのに、なぜ多くの人はその実感を持ちにくいのでしょうか。
理由はシンプルです。多くの人は「完成品」だけを見ています。
スマートフォン、テレビ、自動車…。目に見えるものだけが「産業」だと思いがちです。
しかしその裏側には、設計・ソフトウェア、半導体・素材、通信・クラウド、AI・データといった、実は世界を支えている、目には見えにくい層が広がっています。
学校の学びと照らし合わせてみると、その差がよくわかります。
学校で情報技術やプログラミングを学ぶこと自体は、とても良いことです。
私たちが伝えたいのは、これを否定することではありません。
その技術が社会・産業・仕事とどうつながっているのかという「背景」を理解した上で、
AI・情報を活用する力を育てたい——それが私たちの考え方です。
だからこそ、伝えたいのは『AIの使い方』そのものではなく『現代社会の地図』なのです。
『現代社会の地図』から見えてくる ― バラバラなニュースの意外な”つながり”
最近のニュースで見かける企業名や地名をいくつか紹介します。
これらは、一見バラバラな出来事のように見えるかもしれません。
しかし実際には、すべて「世界の水平分業」という一つの大きな流れの中でつながっているのです。
この「地図」を持っているかどうかで、同じニュースでも見え方はまったく変わってきます。
そして、地図を持つ子と持たない子とでは、将来の選択肢の数そのものが大きく変わってくるのです。
まとめ ― このシリーズで一緒に考えていくこと
この記事でお伝えしたかったのは、「AIだけ」の話ではありません。
世界のものづくりの仕組みが変わり、完成品の裏側には目に見えない産業のつながりが広がっている。
その「現代社会の地図」を、まず知っていただくことが、今日一番お伝えしたかったことです。
子どもたちには、この地図を手がかりに、世界がどのように変化しているのかを理解し、
その変化の中で自分で考え、AIや情報を活用して、新しい価値を生み出せる人になってほしい。
それが、私たちが本当に願っていることです。
そのために大切にしたいのは、次のような一連のプロセスです。
今日の記事でお伝えしたのは、この1番目の土台となる部分です。
この4つの視点を持っておくだけで、これから見ていくAIの話も、
「自分の子どもの未来にどうつながるのか」という文脈の中で理解できるようになるはずです。
次回は、この変化の背景にある「お金の流れ」に注目します。
世界の名だたる企業が、なぜこれほどまでの規模でAIに投資しているのか?
その理由を、具体的な数字とともに見ていきましょう。

連載:AI時代の未来理解プログラム〜わが子の10年後を考える〜
本記事は、全6回シリーズ「AI時代の未来理解プログラム ― わが子の10年後を考える」の第1回です。
お子さんが社会に出る10年後、世界はどう変わっているのか・・・。
AIが変えていく社会の姿と今からできる備えについて、一緒に考えていきませんか?
ここまで読んでくださったあなたへ
この記事を書いている私たちは、「スターAI・情報塾」と、その母体である「スタープログラミングスクール」です。
スタープログラミングスクールは、全国87教室でプログラミングの基礎を教えてきました。そして、その学びの先にある「AI・情報活用」という新しいステージとして生まれたのが、スターAI・情報塾です。
「うちの子には、まだ早いかもしれない」「まずは基礎から」という方も、「もっと踏み込んで、AIや情報活用まで学ばせたい」という方も、それぞれの学びの入口をご用意しています。














